

未来を変える、鎌倉からのフェアトレード
鎌倉市は、日本で7番目のフェアトレードタウンに認定されました。
2025年3月、歴史と文化が息づくまち鎌倉は、一般社団法人日本フェアトレード・フォーラムより、栄えある「フェアトレードタウン」としての認定を受けました。これは、2011年の熊本市を皮切りに、名古屋市、逗子市、浜松市、札幌市、いなべ市に続く、国内で7番目の快挙です。この背景には、私たち「鎌倉エシカルラボ」をはじめとする、多くの市民、事業者、そして行政の皆様の熱意と継続的な取り組みがあります。
フェアトレードとは、単なる公正な取引以上の意味を持ちます。それは、遠い国の生産者たちの笑顔を守り、地球環境に配慮し、そして何よりも、私たちの未来をより良い方向へと導くための「選択」です。
このホームページを通じて、フェアトレードの魅力と、鎌倉市が目指す持続可能な社会の姿を、皆様にお伝えできれば幸いです。
私たちと一緒に、ここ鎌倉から、世界を変える一歩を踏み出してみませんか。
あなたの選択が、
誰かの笑顔を奪っているとしたら?
私たちが毎日何気なく手に取る、甘いチョコレート、香り高いコーヒー、肌触りの良いコットンシャツ。その生産の裏側で、信じられないような現実が広がっていることをご存知でしょうか。遠い国の農園では、幼い子どもたちが学校にも行けず、危険な労働を強いられているかもしれません。生産者は、どれだけ懸命に働いても正当な対価を得られず、貧困から抜け出せないでいるかもしれません。そして、利益を優先するあまりに過度な農薬や化学肥料の使用が、かけがえのない地球環境を静かに蝕んでいるかもしれません。
「安いから」という理由だけで選んだ商品が、実は誰かの犠牲の上に成り立っているとしたら。その安さの陰で、生産者の尊厳が踏みにじられ、子どもたちの未来が奪われ、地球が悲鳴を上げているとしたら。私たちは、その現実から目をそむけてはいけないのではないでしょうか。日常の小さな選択が、知らず知らずのうちに、世界のどこかで不公正な構造を支えてしまっている可能性について、一度立ち止まって考えてみる必要があるのです。

フェアトレードってなんだろう?
みんなが笑顔になるお買い物
「フェアトレード」って、なんだか難しそうに聞こえるかもしれませんね。でも、実はとってもシンプルで、みんながハッピーになれる素敵な「仕組み」のことなんです。
例えば、あなたがお店でチョコレートを買うとします。そのチョコレートの材料であるカカオ豆を作ってくれた人が、遠い国にいます。フェアトレードは、そのカカオ豆を作った人が、ちゃんと生活できるだけのお金をもらえるように、そして、無理な働き方をしなくてもすむように、きちんとした お約束(価格)で取引をすることです。
もし、とても安い値段でカカオ豆が買い取られてしまったら 作っている人は困ってしまいますよね。生活ができなくなったり、子どもたちが学校へ行けなくなったり、畑仕事を手伝わなければならなくなったりするかもしれません。それに、もっとたくさん収穫しようとして、土や川を汚してしまう薬をたくさん使ってしまうかもしれません。
でも、フェアトレードなら大丈夫。作ってくれた人が安心して暮らせるように、そして地球にもやさしい方法で作物を育てられるように、応援する仕組みです。だから、フェアトレードのマークが付いた商品を選ぶことは、「作ってくれてありがとう!これからも頑張ってね!」という応援の気持ちを届けることと同じなんです。それはまるで、大切な誰かに投票(Vote)するようなもの。あなたの小さなお買い物が、遠い国の誰かの笑顔と、地球の未来につながっているのです。
普段、私たちが食べているコーヒー豆やバナナ、チョコレート。これらの多くは、遠い国の人たちが一生懸命育ててくれています。でも、これまでの貿易のやり方では、その頑張りが正しく評価されず、貧しいままの人たちもいました。
想像してみてください。もし、あなたが一生懸命作ったものが、ほんの少しのお金にしかならなかったら、どう思いますか?家族を養うことも、子どもを学校に通わせることも難しくなってしまいます。フェアトレードは、そんな悲しいことをなくすために生まれました。ちゃんとした値段で作物を買い取るだけでなく、農家の人たちがもっと良い方法で作物を作れるように助けたり、地域の学校や病院を作るためのお金(奨励金)を支払ったりもします。これによって、作っている人たちは安心して仕事ができ、子どもたちは教育を受けられ、村全体が豊かになるお手伝いができるのです。
フェアトレードは、特別なことではありません。いつものお買い物で、ちょっとだけフェアトレードのマークを探してみる。それだけで、あなたも世界を良くするお手伝いができるのです。
みんなでつくる!
フェアトレードタウン鎌倉
「フェアトレードタウン」って聞いたことありますか?これは、まち全体でフェアトレードを応援しよう!という素敵な取り組みのことです。2000年にイギリスのガースタングという町で始まって、今では世界33カ国、2000以上の都市に広がっているんですよ。日本でも、鎌倉市を含めて7つの町がフェアトレードタウンになっています。
フェアトレードタウンになるには、いくつかの約束事をクリアする必要があります。日本では、次の6つの基準を満たすことが求められています。鎌倉市がどんな風に取り組んでいるのか、一緒に見ていきましょう。
1
基準
まちのチームでフェアトレードを広めよう!
フェアトレードの活動を続けて、たくさんの人に知ってもらうために、鎌倉では「鎌倉エシカルラボ」というチームが中心になって活動しています。色々な人が協力して、フェアトレードの輪を広げています。
2
基準
みんなにフェアトレードを知ってもらおう!
「フェアトレードって大切だね!」とみんなが思うように、楽しいイベントを開いたり、フェアトレードのことを分かりやすく説明したりしています。新聞やテレビ、ラジオでも紹介されることがあるんですよ。
3
基準
まちのみんなでフェアトレードを使ってみよう!
鎌倉では、みんなで考えて作った「鎌倉焙煎珈琲フェアトレードかまくらブレンド」という特別なコーヒーがあります。これがきっかけで、お家や会社でフェアトレードのコーヒーを飲む人が増えています。みんなが使うことで、フェアトレードがもっと身近になりますね。
4
基準
まちを元気にする活動と一緒になろう!
フェアトレードの活動は、まちを元気にする他の活動とも手をつないでいます。市民の人たち、会社やお店の人たち、そして市役所の人たちが協力して、色々なイベントなどを通じて、みんなでまちを盛り上げています。
5
基準
お店でフェアトレード商品を見つけやすくしよう!
鎌倉のスーパーやお店では、フェアトレードのマークが付いた商品がたくさん売られています。チョコレートやコーヒー、紅茶、バナナなど、いつものお買い物でフェアトレードの商品を選びやすくなっています。フェアトレードの商品だけを専門に扱っているお店も増えているんですよ。
6
基準
まちのリーダーもフェアトレードを応援!
鎌倉市も、フェアトレードを応援しています。2024年10月には、鎌倉市議会で「フェアトレードの取り組みを広げましょう!」という話し合いが決まり、市長さんも「鎌倉市はフェアトレードを応援します!」と宣言しました。市民、会社やお店、行政(市役所)が一つになって、フェアトレードを進めているのです。
このように、鎌倉市はみんなで力を合わせてフェアトレードタウンになりました。これからも、もっともっとフェアトレードの輪が広がっていくといいですね。
さあ、今日からできること。
はじめの一歩を踏み出そう!

フェアトレードって、なんだか壮大なことのように聞こえるかもしれませんが、実はとっても身近なところから始められます。「世界を変える」なんて聞くと、ちょっとドキドキしちゃうかもしれないけれど、大丈夫。あなたにもできる、素敵なアクションがたくさんあります。
まずは、いつものお買い物で、ちょっとだけフェアトレードのマークを探してみませんか? コーヒー、紅茶、チョコレート、バナナ、スパイス、コットン製品など、探してみると意外とたくさんの商品にフェアトレードのマークが付いています。
そして、商品を選ぶときに、少しだけ想像してみてください。「この商品は、どこから来たのかな?」「どんな人が作ったのかな?」と。その背景に思いをはせることで、ただの「モノ」だった商品が、もっと特別なものに感じられるかもしれません。
国際フェアトレード認証ラベルは、安心して選べる目印です。このマークが付いた商品を選ぶことは、遠い国の生産者の人たちを応援する「投票」のようなもの。あなたの今日のランチや、おやつのチョコレートが、世界のだれかの笑顔につながり、地球を大切にすることにもつながるのです。
難しく考えずに、まずは楽しんでみましょう。
食卓から始まる小さな一歩が、きっと世界をより良い方向に変えていくと、私たちは信じています。
あなたも、今日からフェアトレードを始めてみませんか?